恋の契約は永遠に
「制服と違って私服だとまた雰囲気が違うね?」
「社長も同じですよ。スーツ姿も似合っていますけど、私服もオシャレです」
「オシャレか……そこは格好良いとかじゃないんだ」
社長は少し落ち込んだ素振りを見せる。
「あ、いや、社長はどんな服装も似合うし格好良いですよ。お世辞ではありません」
「アハハハ、片瀬さん慌てる姿も可愛いよね。片瀬さん見てると意地悪したくなるよ」
意地悪って……。
私は緊張しながらも社長の自宅に着くまで、他愛無い話をした。
社長の自宅マンションに着き、部屋へと案内された。
高級マンションなんて来る事もないし、また私の心臓はドキドキしていた。
「お、お邪魔します」
「どうぞ」
そう言って中に入り、リビングのソファーで待つように言われた。
暫くして社長は私にコーヒーとお菓子を出してくれて、お肌の気になる所を書くカウンセリングシートを持って来た。
「片瀬さん、今お肌で気になる事はある?」
その質問に私は答えていった。
「今一番片瀬さんが気になるのは、ニキビの後と乾燥肌、赤みでいいかな?」
「はい」
「じゃあさっそく洗顔に入るからコッチに来てもらえるかな?」
そう社長に言われて移動すると、そこにはサロンと同じように鏡付きの洗面台が三つに、お手入れをするテーブルの前には鏡が一面にあり、マンションを内装工事したんだと分かった。
それだけ社長は仕事に対して熱心なんだと伝わった。