恋の契約は永遠に




社長には私の両手を肌に押し当てるようにしているだけなのに、一人で意識してドキドキして恥ずかしくなった。


「片瀬さん、大丈夫?何か顔が真っ赤だけど?」


「だ、大丈夫です……ただ暑くなってしまって」


「エアコン暑すぎたかな?手付けが終わったら温度さげるね」


部屋の温度が暑いわけではなく、私の顔に熱があるだけだ。


社長は一度手を洗い、エアコンの温度を下げると椅子を持ってやってきた。


「この椅子に座って、今度は僕が手付をするからね」


そう言ってクレンジングを手に付けて、ゆっくりと手付けをしていった。


今までは化粧落としのクレンジングで、肌を擦るように化粧を落としていたけど、社長が言うには擦ると肌のキメを傷めてしまい、そこが赤みになるみたいだ。

他にも説明しながら色々と教えてくれて凄く勉強になる。


初めはドキドキしていたけど、社長が私の肌に一通り手を当てクレンジングを付けていき、後ろから少し圧力をかけてお顔のマッサージをしてもらってるみたいで、何だかそれが気持ちよくてリラックスし始めてきた時だった。


社長は顎のラインから鎖骨にかけて手に力を入れて下ろしていく。


「痛たたたっ」


「ごめんね、でも老廃物が溜まってるから痛いんだ。事務の仕事って肩凝りもするでしょ?それに片瀬さんいつもより今日は顔が浮腫んでるの見ただけでわかったけど、昨日はお酒を結構飲んだりした?」


えっ、そんな事まで分かるの!?


「は、はい……友達の家でっタタタ」


そう言いかけたらまた社長が顎のラインから鎖骨に老廃物を流すためにグイグイ力を入れてきた。


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