恋の契約は永遠に
「友達ってこの前にホームセンター前で言ってた仕事が忙しい彼氏の事?」
そう言いながら社長はグイグイしてくる。
「痛っ、違いますっ、彼氏って言ったのは嘘で、元カレから早く開放されたかったからです」
「そっか、よかった……」
「よかった?」
私の質問はまるで聞こえてないかのように社長は顔を洗い流すから立ってと言った。
少し気にはなったものの、私は社長に洗い流し方を教わり、肌に付けたクレンジングを落としていった。
洗い流し方も普段私が洗顔やクレンジングをした後に洗い流すやり方ではなく、やはりお肌を刺激しないように洗面器に三十度の生温いお湯を出して、それを手ですくって皮膚を擦らずに水を肌に当てるようにかけていく。
それをお顔全体に繰り返し、肌を触った時に滑りがなければタオルで拭くみたいだ。
「じゃあタオルの拭き方だけど、クレンジングと一緒で軽く押し当ててタオルに水分を吸収させるようにしてもらっていいかな?」
「はい」
そっか、私は激しくゴシゴシと拭いてたわけじゃないけど、擦ると肌のキメを傷めるから押し当てるのか。
お肌のお手入れってきちんとすれば綺麗になるのかな?
写真では変化もわかるけど、やっぱり自分で実感しなきゃわからないもんね。
社長は説明も上手いし、佐々木さんが言ってたけど、サロンでレッスンを開くときに説明をお客様にしていくみたいだけど、嫉妬するほど説明が完璧みたいだ。