恋の契約は永遠に
ご飯を食べた後、私は洗い物を済ませて社長が居るリビングに行った。
「あの、そろそろ帰ります」
「送ってくよ」
「大丈夫ですよ、帰りは電車で帰りますし、社長にこれ以上は迷惑をかけられません」
すると社長はソファーから立ち上がり私に近づいて来たと思ったら、そのまま引き寄せられてキスをされた。
直ぐに離された唇。
私は何が何だか分からず、ただ社長を見つめた。
「一郎……」
「えっ」
「さっき約束したよね?敬語も無し、名前で呼ぶって。だからお仕置きでキスした。麻耶からしたら俺は派遣先の社長でしかないかもしれないけど、俺は社長なだけで普通の男とかわらないから。だから麻耶にもわかってほしい。麻耶にはプライベートでは社長としてじゃなく普通の男として見てほしいんだ。じゃあ送ってくから」
そう言われて私は戸惑いながらも社長にマンションまで送ってもらった。
「今日は、ありがとうご……」
「もしかしてまたキスされると思って警戒した?でもそうだな、プライベートで敬語や社長と呼んだらキスしちゃおうかな?」
「だ、ダメ!」
「じゃあ頑張って!次回は二週間後だからまた同じ時間に迎えに来る。それまでしっかりお肌のケアしといてね?暫く俺は会社にいけないから、分からなかったら妹の店長に聞いて」
「は、うん」
「俺に会えなくて……寂しい?」
「へっ」
なんか間抜けな返事になった。
「その間抜けな顔が暫く見れない俺は寂しいけどね。じゃあオヤスミ麻耶」
「オヤスミなさい」
そう言って社長は帰っていった。
私は家の中に入り、後は寝るだけとなった。
だけど社長との短いキスが脳裏に浮かび、中々寝付けなかった。