恋の契約は永遠に
伝票入力も残り僅かになった時、社長が戻って来た。
「電話の後にお客様と話していたから遅くなってごめん。おっ、伝票入力もあと少しだね。全部入力が終わったら教えて」
「畏まりました」
そう言って私は残りの伝票入力を慎重に終らせた。
社長は携帯で誰かとメールのやり取りをしていて忙しそうだったが、私に教えるためにわざわざ本社から来て頂いた事にも申し訳なく思っていた。
まさか社長から事務の仕事を教わる事になるなんて思ってもいなかったから、早く覚えなきゃ。
「社長、伝票入力が終わりました」
すると社長は椅子から立ち上がり、そのまま私の背後に来て、手を伸ばすとマウスを握った。
左手はデスクの上に、右手はマウスの上。
社長の体が密着しているような際どい感じに、私の心臓が煩く鼓動をし始める。
な、何故背後から……。
でもそんな疑問を考える間もなく社長は次の説明をしだした。
私はドキドキしたまま社長の説明をノートに書き、社長は先程に私が入力した伝票を印刷した。
それを社長がコピー機から持って来て、私の座っているデスクの上にそれを置いた。