恋の契約は永遠に
「お疲れ様です、すみません遅くなりました」
「片瀬さんお疲れ様、大丈夫だよ。それより荷物が多いからチェックしていって」
「はい」
私は用意していた発注書と伝票を確認して、商品の数量や商品に間違いがないかの確認をしていった。
「はい、これで全部ね!直送も多かったから朝から大変だったでしょ?受付もしだしたみたいだし大丈夫?」
「は、はい、皆さんに教えて頂きながら何とかやれています」
私はまともに社長の顔を見れずに商品に目を向けて返事をした。
社長に凄く失礼なのはわかってるのに上手く顔が見れないでいた。
すると社長は私の横にじゃが見込み、私の顔を覗き込んできた。
「うわぁ」
思わず社長から離れてしまった。
「顔を見ただけで拒否されるなんて、俺何かした?」
「お、驚いただけですのですみません」
私は俯きながら言う。
すると社長は私の顎に手を添えるとグイッと上に向ける。
目と目があって私の心臓がドキドキと煩くなるのがわかる。
駄目、私……
「やっと顔を見られた。目も合わせてくれないし俺を避けてるの?」
「さ、避けてなんていません。皆居るんですからこんな事辞めて下さい」
これが私の精一杯の答えだった。
「そっか、じゃあ僕は次にも配達にいかなきゃならないから」
社長はそう言って会社を後にした。