恋の契約は永遠に
皆が盛り上がっている中、隣で座っていた社長が私の髪を触ってきた。
ビックリした私は社長を見つめる。
「髪の毛最近切ったの?」
「え、は、はい」
そう言うと私の髪をマジマジと見ている。
何だか恥ずかしくなりつつ、最近切ったとか分かるんだなんてさすが美容師さんだって思っていた時だった。
「これ切ったの本社の社長だろ?」
耳元でそう言われて私の心臓がドクンと音をたてた。
私は答えられず固まっていると
「へぇー、そっか」
なんて言ってニヤニヤしている。
「な、何ですか急に……」
「ん、意味はないけど…そっか、なるほど」
と、一人で納得していてわけが分からなかった。
暫くしてお開きになり、社長にお礼を言って帰った。
マンションに着いて部屋の前に着くと、見覚えのある人が立っていて、私に気がつくとこちらへ向かってきた。
えっ、な、な、なんで!!
近づいてくる人物の顔は少し怒っているようにも見えるし、咄嗟に私は逃げ出そうとしたが、その人物に腕を掴まれてしまった。
「何で逃げる?やましい事でもあるのか?」
「や、やましい事なんてないです!それに社長は何故ここに?」
そこに居たの一郎こと本社の社長だった。
「麻耶の態度が変だったし、それに何でGARDENに商品を持って行っただけなのにこんな時間に帰ってくるんだ?」
そう言われていた時に、近所の人が通りかかり不審な目でみられてしまい、ここではまずいと思い社長の手を引っ張って無言で私の部屋にいれた。