恋の契約は永遠に
謎の美女の影


社長と付き合うようになって三週間が経った。


「麻耶、ただいま」


「お帰りなさい」


想いが通じ合った次の日、幸せに浸っていた私に彼はこう言った。


『麻耶、一緒に住もう』


突然の事に戸惑う私は声が出なかった。


『麻耶は特別な人だし、これから先もずっと一緒に居たいんだ。それに俺が麻耶から離れられそうにない。ダメかな?』


嫌とは言えずに頷いた。
だけどマンションは引き払わずに、必要な物だけ持って一郎のマンションへと来たんだけど、子供みたいに喜ぶ姿にギャップを感じて胸がキュンとしてしまう。


「帰ってきて、温かいご飯が食べられて、麻耶が隣に居てくれて幸せだよ。ありがとな」


元彼にだって料理作っても"ありがとう"なんて言われたことなかった。


口や態度で示してくれる事が、こんなにも嬉しくて凄く幸せいっぱいだった。


だけど、私には疑問に思う事があった。


一緒のベッドに寝ているのだけど、あの日に体を重ねた以来、まったくそういった事がない。


体を重ねるのが早すぎたとは思うけど、好きなら求められるものじゃないの?


寝るときは必ず私を抱きしめてくれるし、大事にしてくれている事も伝わる。
仕事も忙しいから疲れているのかな?


欲求不満って訳じゃないけど、女としての魅力がないんじゃないかって不安になってしまう。



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