恋の契約は永遠に
次の日の朝、準備が終わり出かける前に一郎は私を抱きしめた。
「せっかく今日は麻耶も休みなのに俺は出張で3日も帰れないなんてついてないな」
悲しそうに言う一郎に胸がキュンとなる。
「それは私も一緒だよ。あっ、それと今日なんだけど友達から夕食誘われてるから行ってくるね?」
「友達……それは男じゃないよね?」
一郎は不安を隠せないような顔をしている。
「男なわけないでしょ?友達は女だし久しぶりに会いたいって連絡きてたんだ」
「でも夕方なんて帰りが遅くなるだろ……じゃあ家に呼びなよ?お友達も休みなら泊まっていってもらえばいい。暗くなって麻耶に何かあるんじゃないかって俺が仕事に集中できない」
そこまで言われたら頷くしかなく、嬉しいような過保護過ぎなような、でも心配してくれてる事が嬉しいとも思った。
「じゃあ行ってきます」
「いってら……っ」
私の言葉を遮るように一郎はキスをした。
「忘れ物」
そう言って私の頭を撫でると一郎は出張へと行ってしまった。