恋の契約は永遠に
食事が終わり皆で席を立った。
「それじゃあ私達は帰るから、後は二人でゆっくり話してね?」
「えっ、美沙?ちょっ」
「今日はありがとな、宗一郎、結婚式必ず出席してくれよな?」
「ああ」
そう言って二人は私達を残して帰ってしまった。
何だかいたたまれなくなり、私は逃げ出そうとしたら腕を一郎に掴まれてしまった。
「逃さないから……」
私は一郎に手を繋がれて、連れて行かれたのはこのホテルのスイートルームだった。
あまりの広さに私は見とれていた。
だけど直に現実に引き戻される。
「麻耶、話があるからここに座ってくれる?」
「私は話なんて何もありません」
そう言って部屋から出ようとしたら腕を掴まれる。
「麻耶、この前は連絡しなくて悪かった。不安にさせてしまって申し訳ない。あの日、俺の部屋にきたユキの事なんだけど、ユキはGARDENの社長こと悠一の恋人だ」
「えっ、でも何で一郎の部屋に?それにユキって親しかったし相手も宗ちゃんって……」
「悠一とは従兄弟で、小さい時からよく家に遊びに行ったりしてたから、弟のように可愛がってたんだ。ユキは悠一の幼馴染で、小さい頃から二人を知ってるんだ。出張の日、ユキの連絡に返事しなかった悠一を心配してユキが出張先のホテルに来たんだけど、悠一が同業の女性と話していたの見て、俺の部屋を悠一の従業員に聞いて愚痴をこぼしにきたんだ。その時に麻耶と電話してた時で、その後は話を聞いていたら悠一が来て、和解したと思ったら迷惑かけたからと飲みに二人に連れ出されて連絡できなかったんだ」
話を聞いて何だか気が抜けてしまって床に座り込んでしまった。