幼なじみはアイドルの先輩~女の子から女性へ
「どうしたんですか?」


「これから夏の特番の歌収録があるから来てる。ゆかりが来てるってチラホラと聞いたから寄ってみた。入っていいか?」


「どうぞどうぞ」


お弁当はしばしの間おあずけだ。


「ふう」


ソファーに腰掛けた神田さんの第一声だ。


長年神田さんを見てきてカッコイイと思ってるところが、足組んでるところだ。


簡単に言うとサマになってるんだよね。


今も足を組んでる。


それはそれで見てきた光景で何も悪くはない。


だけど、神田さんが強調してる仕事してる証の方向に目が行くとどうしても…………。


「ソロの仕事はうまくいってるか?」


「今のところは……絶好調です!!」


余計な心配かけて白髪の量は増やしたくないので無理を言ってしまう。


ホントは普通って答えたかったんだけどなあ。


「メンバー来てるんですよね?」


「えっと、百合、美月、汐里、嘉穂、古谷、香澄、沙和だな」


スラスラ名前を挙げる神田さんの目に生気がないのは気のせいか?





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