幼なじみはアイドルの先輩~女の子から女性へ
「参ったよ」


「何があったんですか?」


「看板が風で飛んできて車のガラスにね」


「割れたんですか?」


「それはもう派手に割れたよ。家族サービスの資金が飛んじゃうなあ」


力のない笑みを見せた。


近くに春の嵐のリアルな被害者がいましたね。


一時間ほど取材を受けて外に出ると、風がより強くなっていた。


高尾さんの声が聞き取れないこともしばしば。


車に乗り込むと微妙に揺れるし。


二人とも髪は見るも無残な状態だった。








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