【完】ファントム・ナイトⅡ -アノ日ト儚キ妃-
「千瀬さん、
莉胡さんとおそろいの方が使ってくれるかと思って」
「ああうん、まあね。
……もう俺の誕生日か記念日かよくわかんないことになってるけど」
「んで、これが俺から個人的なプレゼントな。
お前の親友が選んだんだから信用していーぞ」
「お前のセンスはあんまり信用出来ないけどね。
まあでもありがたく受け取っとくよ」
幹部からのプレゼントである花束とグラス。
そしてミヤケからのプレゼントで、既に彼は手一杯。一度テーブルに置いてからは西のみんなも幹部ごとだったり由真ちゃんが海に行ったときの写真をデコレーションした写真立てを渡していたりで、あっという間にすごい数になった。
「ふふっ。さすが総長」
「……そういえば十色さんもこんな感じでもらってたね」
しかも十色は傘下からもたくさん支持を集めていたから、尋常じゃなかった。
食料系は食べ切れないからって、いろんな人におすそ分けしてたし。
「そういえば姫はプレゼント渡したんすか?」
「え?あ、うん。もう渡しちゃった」
「ふぅん~?
なに、プレゼントは莉胡本人~?」
そういう時だけ毎回アルくん出てこないで……!
本人じゃないから……!わたしはおまけだから……!
「まあ莉胡もいただいたけど……」
ざわっと冷やかしが飛ぶ倉庫内。
一瞬で顔を赤くしてしゃがみこんだわたしと、確実にこの場を利用して楽しんでいる千瀬。わたしを意地悪な笑みで見下ろしてくるのも、完全に計算だと思う。