【完】ファントム・ナイトⅡ -アノ日ト儚キ妃-
そう言って会話に割り込むミヤケ。
いあちゃんって誰かと思ったら、ミヤケの彼女か。万智のいとこなんだっけ、とぼんやり思い出す。
「だってなんだかんだお世話になってるじゃない?
あとわたし、女の子の友だちが少ないから色んな子と仲良くなりたいの」
……俺の彼女と、春の彼女と、ミヤケの彼女。
なんていうかもう俺ら負けるよね。そこ3人組で文句言われたら、たぶん誰も逆らえないよね。ただでさえ俺ら3人とも彼女に甘いわけだし。
「女の子にときめきは必要だけどー。
……たまにはガールズトークの癒しも必要だからねー」
「……頼むからお前余計なこと言ったりすんなよ」
「……俺はあんまり女子だけで出かけてほしくないけどね」
莉胡と由真。あとミヤケの彼女。
写真で見た限りその子もかわいかったし、下手に3人でうろうろしてたら絶対声をかけられる気がする。
……まあもしナンパなんてされたら、ナンパしてきたヤツは困るだろうけど。
なんせ関東二大の姫と、副総長の彼女なわけだし。
「……今年も海水浴行きたいなーと思ってたんだけどー。
月霞の幹部もいれたらすごい数になるじゃーん。あとミヤちゃんの彼女も誘うんだよねー?」
「また先代に頼んで車出してもらう?」
「……月霞からも1台出してもらえるように頼んどくよ。
十色さん、いつの間にか免許取ったらしいし」
「えっ、そうなの?
というか千瀬、いつもわたしが知らない間に十色と電話してずるい……!わたしも十色と電話したいことあるのに……!」
「……十色さんが莉胡の元彼だって知ってんのに俺が変わってあげるわけないでしょ」
電話したいことって何なのか知らないけど。
普通に自分で連絡すれば良いじゃん。……ひそかに電話したのばれたら、絶対後で俺に文句言われるだろうけど。