【完】ファントム・ナイトⅡ -アノ日ト儚キ妃-
『違うわよ……!
道聞かれただけで……あれ、でも昨日、綺麗な人だって思ったって言われ、』
「連絡先消せ」
『!?』
「……違う、連絡先俺に転送して」
『ミケの?』
「ほかに誰がいんの。
ってかなに馴れ馴れしく呼んでるわけ?」
『だって向こうも莉胡ちゃんって呼んでくれてるし、』
……なにが"莉胡ちゃん"だよ。
あんなにまじまじと俺の女だってわかる行動取ったのに全然気にされてないみたいで腹が立つ。
見せつけたのは喧嘩の現場だったからわからなくもないけど、だからって親しげに話してる莉胡にもやっぱりむかつく。
ってか俺が聞かなかったら、俺に知らないところでふたりで連絡とってたっけこと?
なにそれほんとむかつくんだけど。
『……千瀬?』
「お前さ、いい加減男と関わるの自重してくんない?」
『……え、そんなこと言われても』
「そんなことじゃないし。
……男の前でヘラヘラされんのほんとむかつく」