※雨のしずく※



入学式、知ってる顔がちらほら居るくらいで、ほとんどが知らない人ばかり。
入り口にクラス分けのポスターが貼られており、自分の名前を探した。


佐久間 美優 (さくま みゆう)
6組まである内の3組に私の名前があった。

意外に広い校内に、時々迷いそうになりながはも先生たちの声かけでなんとかたどり着いた。
教室に入るとすでにグループがいくつか出来上がっていた。

とりあえず黒板に書いてある席に座り、カバンを開けて筆記用具を準備した。

私の前の席の男の子がいきなり振り向き、

「初めまして!俺、高崎 唯斗(たかさき ゆいと)っていうんだ。唯斗って呼んで!」

とてつもなく明るい声で言われたものだから、驚きながら

「あ、よ、よろしく、お願いします。佐久間 美優です」

敬語かよ!ってツッコミながらも楽しそうに笑う唯斗くんにつられて私も少し笑ってしまった。

私たちが楽しそうに話していると、私も仲間に入れてーと女の子が駆け寄ってきた。



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