ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「ここが二人の部屋だ。部屋の装飾は濱部夫人の趣味らしい」


「母さんらしい部屋だ・・・」

格式の高いヨーロッパのホテルの部屋をイメージした雰囲気が母さん好み。


天井から吊り下がったアンティーク調のシェード付きのシャンデリアのクリスタルがキラキラと輝いていた。

白のテレビボード、マントルピース、薔薇の細やかな装飾が四隅に施されたセンターテーブル、猫足のベビーピンクのカウチソファ全てがアンティーク調で統一されている。


少し位、小陽の好みも訊いてとけよ。母さん。

これじゃ母さんの好みを小陽に押し付けてるみたいじゃん。


「小陽・・・」


「素敵・・・」


小陽の瞳をキラキラさせて見ていた。


「小陽もこんな部屋がスキなのか?」


「はい」
小陽も母さんと同じ趣味でホッとした。

「こんな素敵な部屋を用意させて頂けて、嬉しいです。
後で、お義母様に電話でお礼を言いましょう。拓真さん」


「え、あ・・・そうだな」


「荷物はここに置いとくから…奥は寝室とバスルーム、ウォークインクローゼットがあるから、適当に使ってくれ」


「蓮…サンキュー」


「言っとくけど、隣は俺の部屋だから・・・」


「はぁ?」


「ちなみに壁には防音対策してないから・・・」


「何で?隣の部屋なんだよ!!」


「居候の身で文句言うなよ!」



< 124 / 371 >

この作品をシェア

pagetop