ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
ストイックな生活を強いられ、もう何ヵ月だ?
梅雨を超えたらもう夏だぞ!!

新居の完成まで待てねぇぞ・・・


「戻ったぞ」

副社長室はシーンと静まり返っていた。


「小陽?」

小陽はノートパソコンを付けたまま頬杖を付きうたた寝をしていた。

一人になって気が抜けたのか・・・

俺は小陽のデスクに歩み寄る。

海外事業部の連中には甘い新婚生活を満喫していると思われてしまった。

ハネムーンも多忙な仕事で未定。

蜜月なのに程遠い状況。


手を伸ばせば触れられる距離に居る。

でも、手が出せない。


俺の妻は高嶺の花のような存在。


俺が帰って来たコトにも気づかず熟睡する小陽。


俺は給湯室に入り、小陽の為にコーヒーを淹れた。




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