ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
椎名さんが、リビングの大理石のテーブルにケーキを置いた。
知り合いの有名パティシエ作のバースデーケーキ。
ケーキは、私の大好きな苺とベリーがあしらわれ、生クリームたっぷり。
「私が椎名さんに教えてあげたの…小陽のスキなケーキ」
愛梨がトレイにお皿とナイフを載せてケーキの横に置く。
「あれ、拓真さんは居ないの?」
蓮君が柚希君と共に入って来た。
「拓真さんは煙草を買いに近くのコンビニ行きました」
「ふうん」
「拓真さん、待つ?」
蓮君は食べたそうにケーキを眺める。
「別に…アイツはいいよ。食べよう」
「椎名さん!?」
「拓真は小陽さんの誕生日知らなかったようだ」
「拓真さんは知っています」
「俺が小陽さんの誕生日だって言ってやったから・・・知ったんだろ?結婚して初めての妻の誕生日、コンビニのスイーツでお祝いなんて夫として失格だな・・・」