ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「俺、独身を通すつもりだ。
でも、相馬本家の当主の爺ちゃんがうるさくて・・・
俺の結婚相手は小陽さんでなきゃいけないと言い張るし」



「だ、だけど…私は拓真さんの妻で・・・」


「俺は後継者になる子供欲しいだけだ。拓真さんの子供を産む前に俺の子供を産んで欲しい。産んでくれたら、親権は俺が持つし、小陽さんは拓真さんの元に返す」


「そ、そんなコト出来ません。柚希君」


「無理を承知でお願いしているんだ…そうでなきゃ俺は医官の道を閉ざされてしまう」



防衛医科大に入学し、今春卒業して防衛医科大学病院の臨床研修医に就いた柚希君。


「お前!?いい加減にしろっ!!小陽が困るってるだろうが・・・」


拓真さんが無断で部屋に入って来て私の腕を掴んだ柚希君の手を引き離した。



「犬や猫の子を産むんじゃないぞ!!
俺だったまだ…小陽と・・・
俺の妻である小陽が他の男の子を妊娠するなんて…絶対にそんなコト許さない!!」


「体外受精でいい…ともかく伊集院家の血が欲しいんだよ」


「相馬家としても伊集院家と繋がりが欲しいのはよーく分かった。でも、小陽はダメだ!!部屋に戻るぞ」


拓真さんは食い下がる柚希君を残して、階段を上がってゆく。

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