ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
彼女の誕生日を知らない男なんて、即行フラれそうな気がするけど。

小陽は俺を許してくれた。


俺に惚れた弱みか?
大らかな性格は陽那さん似かもしれない。


「小陽、25歳おめでとう。24歳の小陽とH出来なかったんだと思うと、凄く残念だ」


「た、拓真さん!?急に変なコト言わないで下さい・・・」

小陽はこの手の冗談には顔が真っ赤になる。


「俺達夫婦にとっては重要なコトだ・・・」


「じ、重要かもしれませんが・・・」


「いいから、何も考えずに俺のモノになっちまえよ。小陽」


「でも・・・」
小陽は語尾を濁す。まぁ、俺達はまともに恋愛して結婚したワケじゃない、慎重になるのは分からないワケではないが。


「・・・私達デートもまだしてませんし」


「デート??
そう言えば、そうだな・・・」


殆どの土日は結婚式の打ち合わせで潰れていたからな。

「デートすれば、Hできるのか?」


「それは・・・」



この状況がどれだけ危険か男性経験のない小陽には理解できないだろうな・・・

「小陽お前は狼の群れに囲まれた子羊なんだぞ」

「で、でも・・・愛梨が一緒に住んでるし、女性は私一人ではないですよ。拓真さん」


「柊さんは・・・」
彼女は小陽よりも年下なのに経験豊富な肉食系の女性。
狼の攻撃をかわすのは簡単だ。問題は小陽で・・・


「それに皆、紳士ですよ」

「・・・紳士ね・・・今夜は遅いし、もう寝るか・・・」

そして、また何もない夜が更けてゆくーーー・・・



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