ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「私の回りに居た人間は表と裏のある者ばかり。陽那は素直な性格で、裏がない。私はその裏の無い陽那がスキなんだと思う。だから、今も一緒に居る」
「敦司さん・・・」
お母様は嬉しそうにお父様にしな垂れた。
「拓真君と小陽居るんだぞ。くっつくんじゃない」
「だって久し振りに言われたんだもん。スキだって」
「いつも言っているような気はするが気のせいか?」
「ここ1年位言われてませんよ」
「そうか・・・」
「まさか他の女性と間違えているとか・・・」
「私は浮気が出来るほど暇じゃないからな」
私と拓真さんは目の前で小競り合いする二人の姿を微笑ましく見ていた。
食後のコーヒーを飲みながら、リビングのローテーブルに婚姻届を広げた。
「証人欄にサインをお願いします。お義父さん、お義母さん」
「濱部社長夫妻じゃなくて、この私達でいいのか?」
「はい」
――――――私達は1ヵ月遅れで婚姻届を提出した。