ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
一夜が明けた。


私達は向かい合わせに座り、ルームサービスの朝食を食べる。

「内装業者との打ち合わせは午後からだ。一旦、白金に戻るぞ」

「はい」

互いに着ている服は昨日と同じ。


でも、ひとつだけ違う。

――――私は処女を失った。

未だに拭えないこの違和感と私達を包む雰囲気に戸惑う。


拓真さんは何食わぬ顔でコーヒーを啜り、トーストを齧る。


「食欲ないのか?」

「いえ、そう言うワケでは・・・」

「昨日の夜のコト後悔してる?」

「いえ・・・良かったです」

初恋の拓真さんに自分の純潔を捧げた。これほど、嬉しいコトはない。

あんなに頑なにHに関して嫌悪感を示して拒否し続けて来た私だけど。


拓真さんと一つになれた一体感が私の考えを変えた。


「それは女として初めてだけど・・・キモチ良かったってコト?」


「そう言うんじゃなくて…愛すると人一つになれた一体感が良かったと言いますか・・・」

拓真さんの物言いは本当にストレート。
私の顔が朱に染まった。




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