ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
副社長室に戻ると小陽はテーブルの上のカップを片付け始めた。
俺はデスクの椅子に腰を下ろし、書類を手に取る。
「柚希君・・・お兄様に憧れて医官を志したのに。可哀想・・・」
「柚希は相馬本家の後継者だ・・・相馬様としては医官よりも普通の医者になって欲しいのは当然だ。紡だって・・・跡取りのクセに・・・お義父さんが何も言わないコトをいいコトに、一生結婚しないと言っている」
「お兄様が結婚しないのは、有事の際は命を張って国を護らなければいけない立場にあるからです。お父様の胸中は分かりませんが・・・相馬様と同じ思いかもしれません」
「・・・」
小陽はトレイにカップをのせ、給湯室に行ってしまった。
「命を張ってか・・・」
俺は唯の化粧品メーカーの副社長。
国防を担う紡から見れば楽な仕事だと思っているんだろうなぁ。
俺は久し振りに引き出しを開けて、爺ちゃんの懐中時計を見た。
小陽がデスクに戻って来た。
「ご苦労様」
俺は労いを言葉を掛ける。
「これが私の仕事ですから・・・労いの言葉ありがとうございます。副社長」
小陽は穏やかな笑みを礼を言う。
俺はデスクの椅子に腰を下ろし、書類を手に取る。
「柚希君・・・お兄様に憧れて医官を志したのに。可哀想・・・」
「柚希は相馬本家の後継者だ・・・相馬様としては医官よりも普通の医者になって欲しいのは当然だ。紡だって・・・跡取りのクセに・・・お義父さんが何も言わないコトをいいコトに、一生結婚しないと言っている」
「お兄様が結婚しないのは、有事の際は命を張って国を護らなければいけない立場にあるからです。お父様の胸中は分かりませんが・・・相馬様と同じ思いかもしれません」
「・・・」
小陽はトレイにカップをのせ、給湯室に行ってしまった。
「命を張ってか・・・」
俺は唯の化粧品メーカーの副社長。
国防を担う紡から見れば楽な仕事だと思っているんだろうなぁ。
俺は久し振りに引き出しを開けて、爺ちゃんの懐中時計を見た。
小陽がデスクに戻って来た。
「ご苦労様」
俺は労いを言葉を掛ける。
「これが私の仕事ですから・・・労いの言葉ありがとうございます。副社長」
小陽は穏やかな笑みを礼を言う。