ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「いいモノ見せてやるよ。小陽」

「えっ?」

「こっちに来いよ」

俺は小陽を自分のプレジデントデスクに呼び寄せた。
引き出しから、懐中時計を取り出した。

「懐中時計??」

「爺ちゃんから貰った懐中時計だ」

「へぇー」

「故障して全く動かないけど・・・大切な爺ちゃんの形見だ」


「形見がどうして引き出しの中にあるんですか?」

「新入社員時代、俺は営業部で営業マンとして都内を駆け回っていた。この懐中時計を持っていると100パー商談が上手くいってさ…仕事の必須アイテムだったんだ」

「へぇー」

「今もこうして引き出しに入れて、そばに置いている。まぁ、大きな仕事が舞い込んだ時は、ブリーフケースに忍ばせて持っていく」


「拓真さんの祖父には幼き頃、お父様もお世話になったと訊いております」

「そうなの?ふうん」





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