ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「一緒に遊ぼうと誘っておいて、寝てしまったパパを許してくれ。小陽」


お父様はクッキーを食べる私の詫びた。
私は幼いながらも理解していたお父様の仕事を。


「小陽ちゃんを幼稚園に入園させて、同じ年ごろのお友達と沢山遊ばせた方がよかったんじゃないですか?総理」

そばに控えていた柊さんがお父様に助言した。

「こんな激務とはさよならと思えば、総裁を再任させられ総理の任期が伸びた。この3年…私はつくづく政治家にはましてや総理には向かないと自身では思ったのに」


「何を言ってるのか??あなたほど、総理に向いた人は居ませんよ」

「・・・」

お父様は眼鏡を弄ってウザそうに柊さんを見つめる。

今考えれば、お父様の功績は大きい。

「まぁ、後3年・・・小陽の為に頑張るか・・・」

お父様は私の髪を優しく撫でながらポツリと呟く。

お父様はお兄様の成長を最初から見守ってやれなかったコトを悔いていた。だから、私の成長は出来るだけ見守って行こうと姿勢が強かった。

その次の年、私は入園。お父様は緊急の用を有しない限り、幼稚園の行事ゴトには率先して参加。

私は常に家族の中心に居て、お父様の愛情に包まれていた。

『私大きくなったらパパのお嫁さんになる』と宣言していた。

――――でも、私は4歳の時、拓真さんに出会った。
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