ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
リビングのソファを囲んでコーヒーを飲み、誰かの土産で頂いたうなぎパイを食べる。

「紡と拓真君の仲を気にしていたが、上手くやっているようだな。安心した」

「拓真の方がかなり我慢しているんだよ。なぁ?拓真」

「・・・仲良くしないと小陽が可哀相だから」

「何だよそれ!?」

「紡は外面だけはいいからな・・・実の父として倅の本性をバラすつもりはないが。しかし、拓真君は祖父の透真さんに似て人が出来ているな」


「小陽は誰にも渡さないと言っていた父上も拓真にやられて観念したか・・・」

「ストレートな言い方はよしなさい。紡。私だって心から許したワケじゃない。小陽がいつでも実家に戻れるように部屋はそのまま残してある」


「小陽は二人から溺愛されてるな・・・」

拓真さんの顔が引き攣っていた。


「私は実家に戻る予定ありませんから・・・」


お父様も言いたい放題。お兄様と同じだ。

「俺も小陽を溺愛していますから・・・安心してください。お義父さん」

「それを訊いて安心した」


「それよりもお義父さんは祖父にはお世話になったと小陽から訊きました」

「頭取時代の話だ。幼い時から顔見知りだったし…私の人生に大きな影響は与えた人間の一人だな」

「それはそれは・・・」

「まさか・・・透真さんの孫と娘の小陽が結婚するとは・・・透真さんも天国で驚いているコトだろう」


「俺と小陽に子供が産まれたら、爺ちゃんもっと驚きますね」

「小陽、妊娠しているのか?」

「近々、そんな報告も出来るかもしれません。期待しておいて下さい」

「子作りには励んでいるらしいから、父上も期待しとけ」

「…紡!!?」



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