ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
私は一人で柾貴君を玄関先まで見送った。


「今夜ありがとう、柾貴君」

「いえ、本当に拓真さんと小陽さんはお似合いですね」

「そう見えます?」

「はい・・・拓真さんが羨ましいです」

誰からも羨ましがられる存在。

順風満帆の結婚生活。


元総理の父親を持つ私は常に人の羨望の眼差しを受け、一目置かれていた。


結婚して姓が変わってもそれは変わらなかった。


「拓真さんって・・・お友達が多い人ですね」

「拓真さんは誰にでもいい顔する人だから・・・俺の知っている拓真さんは本当の拓真さんじゃないかもしれない」

「拓真さんは裏表のない真っ直ぐな人ですよ。
椎名さん達には決していい顔しませんでした。自分のキモチに嘘は付きません」

「そっか・・・妻の小陽さんが言うんだ。それが本当の拓真さんかもしれない」






< 234 / 371 >

この作品をシェア

pagetop