ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
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「拓真さんからも柾貴君にお礼言っておいて下さいね」

酔っぱらってリビングのソファで眠ってしまった拓真さん。
私がカラダを揺すって耳許で大声で呼んでも起きなかったので、そのままソファで朝を迎えた。


「柾貴は秘書の栗原さんの息子だ。そんなに気を遣う必要ないぞ」

「栗原さんのご子息だからこそ気を遣うんです。栗原さんには色々とお世話になってますし」

「・・・小陽が言うんだったら、適当に『LINE』しとくよ」

「お願いしますね」

「ああ」

拓真さんは相槌を打ってコーヒーを啜った。


朝食を終えて、拓真さんの運転する車で出社する。
拓真さん曰く、私の運転する車は怖いらしい。

「小陽、今夜は寝かせないからな・・・」

「え、あ・・・」

「期待しとけよ」

「期待しているのは拓真さんの方でしょ?」

「そりゃそうだけど・・・小陽も少しは期待しとけよ」
惜しげに響く拓真さんの低音。

私は返す言葉が見つからず、顔を真っ赤にして俯いた。

何も知らない私は拓真さんの欲望に振り回されるだけ。

拓真さんのどう言った夜を期待しているのだろう・・・




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