ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
乗り換えの明治神宮駅に到着した。

降車して副都心線の改札口を目指す。

トロい私は人の波に乗れず、後ろから歩いて来た人にぶつかられる始末。

「大丈夫ですか?小陽さん」

「あ、はい」

「手、握っていいですか??」


「え、あ・・・」

柾貴君が戸惑う私の手を握って来た。

「烏滸がましいけど・・・緊急措置です」

「私が歩くのトロいから・・・いけないんです。柾貴君に御迷惑掛けていますよね」

「迷惑なんて掛けてませんよ」

柾貴君は改札口まで私の手を握って歩いてくれた。


「着きましたよ」

柾貴君は手をそっと離して優しく言った。


「ありがとうございます」

「急ぎましょう」

「はい」



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