ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
俺は怪訝そうに紗羅を見つめ返す。


「私と貴方の仲でしょ?」

俺は嘆息して、眼鏡を外した。

紗羅は俺と同じ会員制バー『プラチナ』常連客で、何度かカラダの関係を持った仲。小陽は俺と紗羅の関係を知らない。

俺は小陽との婚約を機にバーへの出入りは止めたが、紗羅は今でも出入りして夜な夜な男を漁っているらしい。

「周防佐久也を何とかして欲しいの」

「周防がどうした??」

「彼が私の狩りの邪魔をするのよ」

周防が狙っている令嬢って紗羅?


「へぇー周防が狙っている令嬢って紗羅だったのかよ・・・」

俺は思わず大笑いしてしまった。


「周防佐久也ががそんなコト言ったの?」

「ああ。周防と紗羅か・・・お互いに御曹司と令嬢だし、上手くやればいいじゃん」


「冗談言わないでよ。自分が上手くいったからって・・・私は嫌よ」


「・・・」


「拓真・・・お願い助けてよ!」


紗羅は執拗に迫った。


「助けると言っても・・・何をすればいいんだ?
俺には小陽が居るし、お前の恋人役出来ないだろうに」


「小陽さんに私との仲をバラしてもいいの?」

「俺を脅す気か?」

「カラダの関係があったのは事実でしょ?」

「それは・・・」
季実子と同じで心はなく、唯互いの性欲を吐き出すだけの仲だった。

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