ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》

小陽side-

社長室での用事を終えて、副社長室に戻る。


秘書室フロアを歩いていると淡路さんに呼び止められた。


「今お取込み中だから入らない方がいいわよ」

「えっ!?」


「受付嬢の神楽坂さんが来てるから・・・」

「えっ!?紗羅さんが?」

「副社長と神楽坂さんのコトも知ってて、結婚したんでしょ?」


拓真さんと紗羅さんって…淡路さんと同じように・・・


「神楽坂さんは『プラチナ』の常連だったのよ」

紗羅さんはお兄様の元カノだった人。

淡路さん以上に紗羅さんのコトは知っている。
その紗羅さんと拓真さんがカラダの関係だったなんて、後頭部を鈍器で殴られたように激しい痛みを感じた。


「そのような話、信じませんから・・・」

私は淡路さんの言葉を全部否定して扉を開けた。


「只今、戻りました」


拓真さんが血相を変えて私を見る。


紗羅さんの瞳は一途に私を見ていた。





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