ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
私は部屋に戻り、パパッと拓真さんの夕食を作った。
男は本能で生きる生き物かもしれないけど、一度も女性に対して誠実なお付き合いしたコトのない拓真さんが許せない。
ダイニングテーブルにメモを残して、キャリーバックに荷物を纏めて部屋を出る。
冗談だと思うが、『拓真君と喧嘩したら、いつでも帰って来い』とお父様が言った。
そんな言葉を真に受けて帰れるワケがない。
愛梨は椎名さんと同棲を始めた。
愛梨以外に今夜泊めてくれそうな友人は居ない。
気が付くと今度柾貴君と行く予定だった自由が丘のスパイス店の前に来ていた。
「小陽さん?」
訊いたコトのある低い声。
振り返ると私服姿の柾貴君が立っていた。
「キャリーバックなんて持って何してるんですか?もしかして、拓真さんと喧嘩して家出て来たんですか?」
図星の言葉に相槌を打った。
「はい、部屋を出て来ました」
「店に入るんだろ?俺も入るんだ。一緒にどう?」
「喜んで」
「重いだろ?持ってあげるよ」
柾貴君は私の左手に引いていたキャリーバックを奪う。
男は本能で生きる生き物かもしれないけど、一度も女性に対して誠実なお付き合いしたコトのない拓真さんが許せない。
ダイニングテーブルにメモを残して、キャリーバックに荷物を纏めて部屋を出る。
冗談だと思うが、『拓真君と喧嘩したら、いつでも帰って来い』とお父様が言った。
そんな言葉を真に受けて帰れるワケがない。
愛梨は椎名さんと同棲を始めた。
愛梨以外に今夜泊めてくれそうな友人は居ない。
気が付くと今度柾貴君と行く予定だった自由が丘のスパイス店の前に来ていた。
「小陽さん?」
訊いたコトのある低い声。
振り返ると私服姿の柾貴君が立っていた。
「キャリーバックなんて持って何してるんですか?もしかして、拓真さんと喧嘩して家出て来たんですか?」
図星の言葉に相槌を打った。
「はい、部屋を出て来ました」
「店に入るんだろ?俺も入るんだ。一緒にどう?」
「喜んで」
「重いだろ?持ってあげるよ」
柾貴君は私の左手に引いていたキャリーバックを奪う。