ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
レオンはペットとして飼うウサギでも人気種のローランドロップ。

穏やかで人懐っこく性格らしい。

「この垂れた耳が可愛い」

私は半分に切った苺をレオンの口許に運んだ。

レオンは嬉しそうに苺を齧る。


「可愛い」

「小陽さんと初対面のクセにもう馴染んでいるのか…何だか飼い主としては複雑だな」

「どうしてウサギなんて飼い始めたの?」

「知り合いから預かったと言うか・・・」

「柾貴君のペットではなく預かり物なんだ・・・」

「まぁ、犬のように散歩しなくてもいいから…楽だ。でも、時々ケージから脱走するのが玉に瑕だ」

「それは鍵をキチンと閉めて置かない飼い主の責任よ。柾貴君」

「小陽さん、キツいなぁ」

「でも、可愛い…癒される」

「じゃレオン一晩貸そうか??」

「いいの??」

「今夜は執筆に集中したいし、レオンが居ると気が散るんだ。ウサギって夜行性だから・・・」

「執筆か・・・昼間は秘書の仕事をやって、夜は作家のお仕事。柾貴君も大変ね」

「後で、部屋にコイツのケージ持っていく」

「うん」
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