ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
二度寝も出来ず、早朝から柾貴君の朝食作りを始めた。


彼は何時出社か分からないけど、7時に部屋を訊ねる。

「柾貴君、起きてる?」

ノックしても反応がなかったのでドアを開けて中に入った。

「柾貴君・・・」

部屋に柾貴君の姿はなかった。


「何?」

濡れた髪にタオルを被った柾貴君が入って来た。


「あ…お風呂だったんですか・・・朝食出来たから呼びに来たと言うか・・・」

「朝食?俺の為に作ってくれたの?」

「はい」


「分かった。直ぐに行きます」


「準備しておくわ」

「新婚さんみたい気分だ」

柾貴君はテレ臭そうに笑った。

「そうですね。新婚さんみたいですね」

私も同調する。


「拓真さんと離婚して俺と再婚しますか?」

「えっ!?」
拓真さんと離婚なんて考えもしていない。
柾貴君と再婚って・・・

「冗談です。小陽は真に受けるから・・・からかいがある」

「か、からかわないで下さい・・・」

柾貴君は私の目の前でTシャツを脱ぎ始める。

「用意してきます」

私は部屋を逃げるように出て行った。





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