ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「レオンのケージ運んだの?重かったでしょ?」


「重かったけど…一人しておくのは可哀想だから・・・」

「小陽さんは過保護だな」

「だってウサギは寂しいと死んじゃうんですよ」

「・・・それは嘘。ウサギは寂しくても死なないよ。俺が会社に行ってる時はほとんどレオン一人だ」

柾貴君はネクタイを締めながら椅子に腰を下ろす。


「コーヒー淹れますね」

「小陽さんって尽くすタイプだね」

柾貴君はプチトマトを口に運びながら呟いた。

「どうぞ」

私はコーヒーの入ったマグをプレートの脇に置いた。

「小陽さんも座りなよ」

「うん」


私は彼の前に腰を下ろす。ずっと敬語だった彼の口調にタメが混じるようになった。

「今日は会社休むの?」

「はい、今日は1日、拓真さんの部屋を掃除しようかと」

「小陽さんが住めるように?」

「住むって…住むワケでは・・・」

柾貴君はホンキで私との再婚考えてるワケ?

「俺としてはずっと居てもいいんだよ」

「ずっとは居られません」

「俺は拓真さんがホンキで女性を愛せない理由知っている」

「昨日は散々拓真さんの悪口言ってたのに・・・」

「知りたかったら、もう一晩泊まってよ」
急に柾貴君の顔色が怖く瞳に映る。

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