ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
具合が悪いから今日は休ませていると親父に言えば、早めには帰ってやれと早退させられしまった。


時刻は午後3時ーーー・・・

書斎のデスクにブリーフケースを置く。


デスクの引き出しから爺ちゃんの懐中時計を取り出す。

一度は時を止めたはずの懐中時計が再び時を刻んでいた。


――――――このまま小陽が俺の元に戻って来なかったらどうしよう。


そんな焦りが胸の中に溢れる。



俺はギュッと右手に懐中時計を握り締めてソファに転がった。


最後に見せた小陽の泣き顔が夢の彼女の泣き顔を重なる。



俺は人を愛してはいけない男なのかもしれない。

俺は結婚には向いていないかもしれない。


周囲が何と言おうと結婚するべきではなかったかも。


懐中時計の時を刻む音が絶望する俺を睡魔に誘う。


俺はそのままソファで眠ってしまったーーー・・・




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