ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
知加子ママは父を先に奥のVIPルームに通した。
別のVIPルームのシートに座っていた俺の元に知加子ママは一人の若いホステスを紹介した。
「壱真さん、彼女は百合。ホステス歴は半年で不慣れな所もあるかもしれないけど・・・許してあげてください」
「百合と申します」
「百合、オーナーのご子息だから粗相のないにね」
「はい、ママ」
知加子ママは百合に釘を刺すと急ぎ足で父の部屋に行ってしまった。
夢の中に時折出て来た彼女は夜の蝶だった。
彼女の泣き顔しか今まで見たコトなかった。
小陽に似て綺麗なオンナだった。
百合は軽く会釈して俺の隣に腰を下ろす。
「噂には訊いております。大手化粧品メーカーにお勤めなんですよね」
「それはママの息子の透真のコトだ。俺は正妻の息子だ」
「し、失礼しました…申し訳有りません」
彼女は必死に謝った。
「・・・俺は外務大臣官房総務課に勤めている。名前は樋口壱真だ」
俺は百合に名刺を渡した。
「ありがとうございます」
百合も俺に名刺を渡した。
「本名は?」
「・・・渡利美桜(ワタリミオ)です」
「年は?」
「今年21歳になります」
「大学生か?」
「いえ、大学は中退して半年前からこの『泡沫』のホステスとして勤務しております」
「ふうん。大学は中退したのか・・・『泡沫』がどんな店は知ってるのか?」
「はい・・・」
俺は壱真の記憶を手繰って話をしていた。
別のVIPルームのシートに座っていた俺の元に知加子ママは一人の若いホステスを紹介した。
「壱真さん、彼女は百合。ホステス歴は半年で不慣れな所もあるかもしれないけど・・・許してあげてください」
「百合と申します」
「百合、オーナーのご子息だから粗相のないにね」
「はい、ママ」
知加子ママは百合に釘を刺すと急ぎ足で父の部屋に行ってしまった。
夢の中に時折出て来た彼女は夜の蝶だった。
彼女の泣き顔しか今まで見たコトなかった。
小陽に似て綺麗なオンナだった。
百合は軽く会釈して俺の隣に腰を下ろす。
「噂には訊いております。大手化粧品メーカーにお勤めなんですよね」
「それはママの息子の透真のコトだ。俺は正妻の息子だ」
「し、失礼しました…申し訳有りません」
彼女は必死に謝った。
「・・・俺は外務大臣官房総務課に勤めている。名前は樋口壱真だ」
俺は百合に名刺を渡した。
「ありがとうございます」
百合も俺に名刺を渡した。
「本名は?」
「・・・渡利美桜(ワタリミオ)です」
「年は?」
「今年21歳になります」
「大学生か?」
「いえ、大学は中退して半年前からこの『泡沫』のホステスとして勤務しております」
「ふうん。大学は中退したのか・・・『泡沫』がどんな店は知ってるのか?」
「はい・・・」
俺は壱真の記憶を手繰って話をしていた。