ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「その容姿に美貌。客は沢山付いただろ?」

「いえ、まだ一人です」

「一人?誰だ?」

「矢上様」

「矢上?あ・・・明国党の矢上議員だな。彼が君を独り占めしたくて、ワザと客を付かせていないのか・・・」

「『泡沫』を辞めて愛人になれと…でも、私は嫌で・・・」
百合は涙ながらに訴えた。

彼女の嫌がる理由は60歳超えたじじぃだし、彼の性癖の悪さは有名だ。

百合の花言葉が純潔だが、当に彼女の純潔は矢上議員に汚されていると思う。

「ママには相談したのか?」

「相談しましたが・・・」

「君が愛人になる以外に方法はないと言うコトか・・・」

「申し訳有りません。私的な話で気分害されましたね・・・」

「・・・方法がないワケじゃない。俺は矢上議員が大嫌いだ。議員としての裁量もないクセに、60超えたじじぃの分際で娘のような君を愛人にするなんて・・・俺のオンナになれば大丈夫だ」

「壱真さん?」


「俺の手を取れよ」

俺は百合に手を差し出した。

俺が百合を幸せに出来たら、小陽とも幸せになれると思った。


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