ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「でも、私は・・・」


彼女の涙の理由は親の借金か?

「北海道の家族に幾ら送金している?俺が肩代わりしてやる。だから、君は黙って俺のそばで笑っていてくれないか?」


「壱真…さん」



拓真の記憶を持ちながらも壱真として今は生きているが、壱真がどんな人生を歩んだのか・・・その人生の道標の記憶は全くない。

手探りで美桜との人生を歩もうと必死だった。


どんな言葉を掛けていいのか…言葉の選択に迷ってばかり居た。


昨日出会ったばかりの彼女に不審がられていないか不安だけど、目の前の彼女の手は離してはいけない。

それは確かだ。


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