ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
**********
「どうぞ」
透真自らが応対した。
「秘書は居ないのか?」
「秘書?秘書は沢山居る。俺専属の社長秘書が居ないだけだ」
「ふうん」
「コーヒーでいいか?」
透真は俺をソファに座らせると内線電話でコーヒーをオーダーした。
「近くの喫茶店にコーヒーを注文したのか?」
「エントランスに美味いコーヒーのカフェテラスがあるんだよ」
本社ビルの外観も社長室から見える風景も今とは違っていた。
何よりも死んだ爺ちゃんがこうして仕事している姿を見るのは初めてで、俺は拓真目線で暫しジッと見てしまった。
「兄貴、一体この俺に何の用だ?」
「え、あ・・・一人雇って貰いたい人間が居るんだ」
「性別は?」
「女だ。歳は21歳。大学は家庭の事情で中退。アルバイトでいいから…頼む」
「・・・兄貴、人が変わった?」
透真は眉間にシワを寄せて俺を見る。
そもそも壱真がどんなタイプの人間かそこまで記憶ないし。
「俺だって本音は仲の悪いお前に頼みたくない。でも、頼める相手が居ないんだ。そこを何とか…雇って貰えないか?」
「どうぞ」
透真自らが応対した。
「秘書は居ないのか?」
「秘書?秘書は沢山居る。俺専属の社長秘書が居ないだけだ」
「ふうん」
「コーヒーでいいか?」
透真は俺をソファに座らせると内線電話でコーヒーをオーダーした。
「近くの喫茶店にコーヒーを注文したのか?」
「エントランスに美味いコーヒーのカフェテラスがあるんだよ」
本社ビルの外観も社長室から見える風景も今とは違っていた。
何よりも死んだ爺ちゃんがこうして仕事している姿を見るのは初めてで、俺は拓真目線で暫しジッと見てしまった。
「兄貴、一体この俺に何の用だ?」
「え、あ・・・一人雇って貰いたい人間が居るんだ」
「性別は?」
「女だ。歳は21歳。大学は家庭の事情で中退。アルバイトでいいから…頼む」
「・・・兄貴、人が変わった?」
透真は眉間にシワを寄せて俺を見る。
そもそも壱真がどんなタイプの人間かそこまで記憶ないし。
「俺だって本音は仲の悪いお前に頼みたくない。でも、頼める相手が居ないんだ。そこを何とか…雇って貰えないか?」