ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「失礼します」

エントランスにあるカフェテラスのウェイトレスがコーヒーをトレイに持ち、入室して来た。

「サンキュー、代金は週末まとめて支払うから…佐川さん」

「はい、社長」

「下がっていいよ」

佐川さんは軽く俺に会釈して出て行った。

「何のスキルもなさそうだな。母さんから訊いたよ。兄貴が元『泡沫』のホステスと同棲してるって」

「お前の耳にも届いていたのか?なら、話が早い」

「俺達、仲良かったっけ?」

「・・・こ、これから仲良くすればいい」

俺の爺ちゃんだって知った以上は仲良くしたい。

「兄貴、なにがあったの??人が変わったね・・・」

透真が俺の態度を見て大笑いしながらコーヒーを口の中に含んだ。


「・・・エントランスの『星凛堂パーラー』のウェイトレスのバイトなら募集していると思う。それでいいなら、一度面接に来るといい」


「それでいいよ。美桜にはそう言っておく」





< 300 / 371 >

この作品をシェア

pagetop