ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
外務大臣官房総務課。



俺は外交官として海外の大使館勤務を経て2年前に帰国して、今の課に落ち着いていた。

今の仕事は担当案件だけではなく、省内のあらゆる案件を引き受けなければならない。一言で言えば、雑務だけど。

遣り甲斐がないと言えばない。

休憩時間、徐に携帯電話を開いて、メールと着信履歴をチェックする。

「んっ?」

透真から何度も着信履歴があった。


「もしもし・・・」


―――――やっと繋がったか・・・兄貴。美桜さんが病院に運ばれた。


透真の安堵した声。


「美桜が病院?何故??怪我か?」


―――――美桜さんは妊娠している。でも、その妊娠が異常妊娠で右側の卵管が破裂起こして、緊急手術をした。
搬送先の病院は・・・


美桜は妊娠って・・・

俺の子じゃないよな。矢上議員の子供だよな・・・



「分かった…直ぐに病院に向かう」
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