ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
休憩時間を短縮して、慌てて仕事を片付けて美桜の入院する病院に向かった。

東亜医科大附属病院。


俺が来るまで責任感の強い透真が彼女のそばに付き添ってくれていた。


美桜の病室は透真の計らいで、VIPが利用する個室だった。


「迷惑を掛けてすまない。透真」


「兄貴は美桜さんの妊娠知らなかったのか?」

美桜は麻酔で眠っていた。


「多分、美桜のお腹の子は俺の子じゃないと思う」

「明国党の矢上議員の子供か・・・」

「だと思う…」

「・・・俺が相馬社長をエントランスまで見送ろうと降りたら、彼女が急に倒れてんだから・・・驚いたよ。倒れた上に出血もしていたし、偶々居た医者に救われたようなもんだ・・・」

「医者?」

「相馬社長の秘書・栗原は医師免許を持っていたんだ」

「栗原が美桜を・・・」

「兄貴、栗原のコト知ってるの?」

「相馬社長は最近、『泡沫』の会員になって栗原を連れて店に出入りしている」


「『泡沫』の会員?そうか…相馬社長は母さんの店の会員になったのか・・・」




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