ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「後は兄貴に任せる」
「ああ」
「兄貴、父さんと上手くいってるのか?」
「・・・こんなコトしてて上手くいってるように見えるか?透真」
「いや」
俺は足許にブリーフケースを置き、透真の座っていた椅子に腰を下ろした。
「美桜さんと同棲してんだろ?結婚するのか?」
彼女と同棲を始めてまだ3週間目。
まだ、『結婚』を考えるだけの時間を要していなかった。
俺は唯美桜の笑顔が見たいだけで。
「・・・出来れば、このままカフェは辞めて欲しいんだけど。どうも、皆…美桜さんのコトを俺のオンナと勘違いしているようで・・・」
「すまない。俺がお前に頼んだばかりに。お前に迷惑掛けたな」
「兄貴に謝られると何だか歯痒いな。兄貴はずっと愛人の子である俺を邪魔者だと思っていただろ?でも、俺は兄貴と仲良くしたいと思っていた。
だから、兄貴が俺に頼みゴトして来た時はとても嬉しく思ったよ」
「透真・・・」
「また、見舞いに来るよ」
透真は俺と美桜を二人にして帰って行った。