ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
美桜は暫く入院。

俺は仕事の帰りがけ、毎日彼女を見舞い、着替えなどを持って行った。


「美桜、入るぞ」

俺がノックすると美桜は優しく返事してくれるのに、今日は返事がなかった。

ベットは蛻の殻で、サイドテーブルには置手紙が目立つように置いてあった。

『壱真さんへ

お世話になりました。私のコトは忘れて下さい。小切手は壱真さんからお父さんにお返し下さい。』

手紙と一緒にあったのは小切手。その額は1000万。


父さんが美桜の元に来て、俺と別れるよう迫って手切れ金を渡したのか・・・

カラダだって完全に回復したワケじゃない。

なのに、そのカラダでどこに行ったんだよ。

俺は手紙を握り締めて病室を出て、院内を探したが、彼女の姿はなかった。


携帯電話に掛けても留守番サービスに繋がるだけ。


俺は栗原に電話を掛けた。


「栗原、美桜が病室から姿を消した!!頼む。一緒に探してくれないか?」


―――――彼女の携帯番号は??


「メールで伝えるから、通話は切ってくれ」


一旦、通話を切って、彼女の携帯番号を栗原にメールで伝えた。


―――――彼女の携番にGPS機能があればすぐに分かると思う。今から調べるから待っててくれ。樋口さん


< 309 / 371 >

この作品をシェア

pagetop