ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
――――――壱真お前は一体何を考えているんだ!!?

父の怒声が鼓膜を破りそうだった。


「俺は美桜と結婚します。勘当される覚悟で言っています」

―――――壱真お前まで・・・この私の期待を裏切るのか!!?
透真の入れ知恵か?いいから、馬鹿なコトは言うなっ!!お前はずっと私の言うコトを訊いて来たじゃないか!?


「美桜のコトだけは譲れません。外務省も退職させて貰います」


俺は美桜と結婚する。


――――――壱真・・・


父は絶望に満ちた声が俺の名前を呼ぶ。



長年積んで来たキャリアと約束されたエリート官僚の道をあっさり捨てた。


「お世話になりました。樋口外務事務官」


俺はそう告げて電話を切った。


「本当に辞めるんですか?」


「辞めなきゃ、俺は美桜とは別の女性と強制的にお見合いさせられ結婚、今度の異動で海外赴任だからな」


「それよりも栗原お前には美桜を見ててくれと言ったはずだぞ」


「そうでしたか?」

「わざとらしいぞ」



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