ダイヤモンドウエディング～キスからはじまる永遠の愛～《完》

敦司君は、物分かりのいい子供かと思いきや、結構わがままな所があるかもしれない。


「敦司お前はこの伊集院家の次期後継者だぞ」

「4歳のご子息にそう言っても理解出来ないと思いますよ。伊集院国土交通大臣」

「・・・分かってはいるが…私はどうも子供の扱いが苦手だ」

「伊集院国土交通大臣にも苦手な物がおありなんですね」

「君は父親の樋口外務事務官と仲たがいして、外務省を退職したようだな。今は何をしている？」

「今は就職活動中です・・・」

「就職は決まったのか？」


「いえ、それがまだ・・・父の差し金で思うようにはいかず・・・」

俺は何言ってんだよ！？就職の斡旋をして欲しいと言っているようなもんだぞ。

「そのまま外務省に居れば、エリート官僚まっしぐらだろうに。父の跡を継ぎ、官界のトップになれただろ？」

「周囲は皆、俺を愚かだと言っています。でも、俺自身は悔いはありません」