ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
小陽は昨日柾貴の所に泊まったのか・・・
「柾貴君から訊きました。拓真さんには長年、夢に出て来る一人の女性が居ると」
「さっきまでその夢の中の彼女と一緒に居た・・・」
壮絶な癌との戦いの末、美桜は亡くなった。今しがた夢の中で今生の別れをした。
「拓真さんはその女性の泣き顔に悩まされて、女性と真面目な交際が出来なかったと訊きましたが、本当ですか?」
柾貴は俺の夢の中に度々登場する女性を知っていた。
俺が他のヤツには内緒だと柾貴に話したから。
「拓真さんは女性を心から愛せない人ではないんですね。安心しました」
「…俺はずっと彼女の泣き顔に悩まされていた。俺の不甲斐なさが彼女を泣かしているんだとずっと思っていた。でも、俺はいつもと同じように彼女の夢を見て、ようやく彼女の涙のワケを知った」
ずっと隠された涙のワケ。
それは悲しい別れを意味していた。
「・・・俺は彼女の最後を看取った。彼女は25歳の若さでこの世を去った。彼女の流していた涙は俺への感謝の涙だった」
どうして今まで夢を見なかったんだ。
早くその理由を教えてくれたら、俺はもっと真面目に付き合えたかもしれない。浮名を流すコトもなかった。
「柾貴君から訊きました。拓真さんには長年、夢に出て来る一人の女性が居ると」
「さっきまでその夢の中の彼女と一緒に居た・・・」
壮絶な癌との戦いの末、美桜は亡くなった。今しがた夢の中で今生の別れをした。
「拓真さんはその女性の泣き顔に悩まされて、女性と真面目な交際が出来なかったと訊きましたが、本当ですか?」
柾貴は俺の夢の中に度々登場する女性を知っていた。
俺が他のヤツには内緒だと柾貴に話したから。
「拓真さんは女性を心から愛せない人ではないんですね。安心しました」
「…俺はずっと彼女の泣き顔に悩まされていた。俺の不甲斐なさが彼女を泣かしているんだとずっと思っていた。でも、俺はいつもと同じように彼女の夢を見て、ようやく彼女の涙のワケを知った」
ずっと隠された涙のワケ。
それは悲しい別れを意味していた。
「・・・俺は彼女の最後を看取った。彼女は25歳の若さでこの世を去った。彼女の流していた涙は俺への感謝の涙だった」
どうして今まで夢を見なかったんだ。
早くその理由を教えてくれたら、俺はもっと真面目に付き合えたかもしれない。浮名を流すコトもなかった。