ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
あれから、親父はクリスマス兼誕生日パーティの話はしなくなった。
小陽が上手に親父を説得してくれたんだと安心した。


「樋口家の墓?」

「場所は鎌倉なんだが・・・」

「・・・」

「長男の壱真さんと奥様の間には子が居なくて、三男の晴真さんは独身で亡くなられた。唯一子の居た父さんが墓の管理は任されているんだ。壱真さんの命日のクリスマスには毎年墓参りをしている。今年は母さんと旅行に行こうと思ってるから…お前が代わりに墓参りしてくれないか?」


「壱真さんの命日ってクリスマスなの?」

「まあな。壱真さんは敦司様の父親伊集院鑑三元総理の秘書官を務めていた。
壱真さんはクリスマスの日。クラシックコンサートに足を運ばれた伊集院鑑三元総理と敦司様を庇って暴漢に襲われ命を落としたんだ」


「えっ!?」


「彼の勇気ある行動は当時のマスコミが挙って秘書の鏡だと称えた」


俺は自分の最後には興味なかった。


俺は敦司君達を庇って亡くなったのか・・・


「それは壱真さんが幾つの時の話だ?」

「確か38歳の若さだった・・・」


俺は美桜を亡くした2年後に命を落としたのか・・・




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